多くの山好きの方と同じように、
行きたい山は頭の中にいくつもストックしています。
夏の終わりに次は秋山、紅葉山行のシーズンよねー、
というところから、今年ふとそのストックから飛び出してきた
のは下の廊下だったんです。
飛び出してきたならなんかわけがあるだろうから
それは押さえ込んじゃいけないってことで、
準備開始。
まずは少しだけウンチクを。
▼どこにあるの?
西は剱岳から立山、東は白馬岳から鹿島槍ヶ岳という
北アルプス有数の山々にはさまれた深~い谷にあります。
▼どうやって行くの?
これがまたとてもめんどくさい...
まずは富山県の宇奈月温泉へ行き、
そこから黒部峡谷トロッコ電車にのり終点欅平(けやきだいら)と
いうところへ。そこからやっと登山道が始まります。
逆から行くのなら長野県の扇沢駅までいって、
そこからトローリーバスで黒部ダム駅へ。
でそこから登山道となります。
遠っ!
▼どんなコース?
それをこれから紹介するのですが、距離は、
・水平歩道(欅平~阿曽原温泉小屋):約13km
・下の廊下(阿曽原温泉小屋~黒部ダム):約17km
と全編通すと約30kmほどです。
かなり歩き応えあります。
ただ標高はさほどでもなく、大体1000m前後。
まあピーク踏むわけではないですからね。
水平歩道からでも下の廊下でもどちらかでも
スタートできます。
今回私の取ったコースだと、欅平から阿曽原温泉小屋までは
なだらかに下り、阿曽原温泉小屋から黒部ダムまでは
なだらかに上っていく感じでしょうか。
じゃあ「どんなコース?」の詳細始めますね(^^
日程は10/7-8の二日間。
1日目は水平歩道を歩いて阿曽原温泉小屋泊。
2日目は下の廊下を歩いて黒部ダムゴールです。
10/7の朝のトロッコ列車に乗るため、
前日夜中について宇奈月温泉駅の駐車場で仮眠。
明けて、6:30に車はゴールの扇沢駅までの回送
サービスに預け出発。
トロッコ列車の駅舎。
いやーここまで来たよー!
トロッコ列車の客車には3タイプあります。
それぞれ料金が違うので希望のものを選択。
こちらは普通客車。
開放的で気持ちいいですが雨風のときは吹きさらしです...
今回私が乗ったのは真ん中ランクのリラックス客車。
土曜日の一本目で混んでるかと思ったらガラすき。
終点の欅平までは1時間20分かかりますので
寝てました...
曇りだったし紅葉もまだまだでしたので(^^;
欅平到着。
はるばる感ありますねー。
大阪からえらいとこまできてますよ。
そしてこれからさらにえらいとこまで行きますよ。
今回調べるまで欅平から黒部ダムまで全部を下の廊下と
呼ぶと思ってたんですが違うんですね。
説明が前後してしまいましたが、欅平~阿蘇原温泉小屋までは
水平歩道と呼ばれています。
登山道はここからスタート。
まずは普通に登山道で結構急登。
以外に高い気温に汗だくになって
ようやく水平歩道の道標がでてきたので
ヘルメット装着してよっしゃと気合を入れる。
なのにあれ?
まだ普通に登山道?
進んだ先にありました。
水平歩道始点が。
駅から1km以上って長いわ!
さあここから黒部峡谷の断崖絶壁にくりぬかれた
道の始まりです。エスケープ地点はなし。
避難所もなし。退避場所はわずかなスペースを
強引に使うしかなし。
キンチョー!
この先ずっとお世話になる番線とボルト。
コースには職人さんがこれを張って
くださっており、時にはこれを命綱とし
進んでいきます。
お!始まった始まった。
欅平から向かう場合は常に右手が山側です。
谷川は見ての通り柵は一切なし。
まだ大丈夫かな。そろーりそろーり。
ひたすらずっと崖道ってわけでもなく。
何度かこういうリラックスポイントがあります。
こういうところは普通に歩けますよ。
振り返り。
うーん、わくわく♪
岩盤をくり貫いた道なので、頭上も注意です。
まだ道幅は広いほうですね。
最初のトンネル。
ぐっと緊張しますが、これは先が見えてます。
先に目をやると崖の中腹にまさに水平な線が一本。
お見事ですよねえ。
このあたりまだシリアスではありません。
と、思ってたら来ました。
ライト必須のトンネル。
ここはほんとに必須です。
長さも150mほどあるのでライトナシでは
昼間でも真っ暗で進めません。
中はこのように。
下には地下水が流れてて、
場所によっては深くたまってるので
足元にも注意が必要です。
壁にはうように張り付いてる水滴が
ライトに照らされてとてもきれい♪
無事通り抜けると。
深ーい峡谷がどーんと迫ってきます。
さらにどんどん歩を進めて歩き続け、
途中で自分の来た道を振り返る。
あそこ通ってきたかー。
今ここにいることが感慨深いなあ...
なんてかっこつけてると、
キました!
水平歩道のハイライト。
「大太鼓」です。
よくくり貫いたよねこんなところ!
ここはシリアスですよー。道も。
反対から見るとこう。
下を見るとあ~れ~!
ここからしばらくシリアスです。
番線から手が離せません。
よく考えると
「180度体ごと振り返る」という行為も
ここでは慎重に行なわないといけなくて、
普段の調子でくるっとまわると、
ザックが壁にぶつかって、
反対側にばい~んと弾かれてしまったら、
谷へとまっさかさま。
ハイさようならです。
そこで決めた自分ルールが
「ながらをしないこと」。
なんか取り出しながら歩くとか、
収納しながら歩くとか、そういうのはしない。
一つ一つの動作を確実に終えてから
次の動作に入る。
たったこれだけのことですが安全度は増すはず。
お次はまたもやトンネル。
今回は水の流れる下を通るもの。
ここはライトなしでもOKでした。
崩落箇所にはこのように
橋がかかってます。
職人さんのおかげで無理なく通行できます。
ありがたいですよほんとに。
水平歩道とはいえ、ずーっと一直線じゃなくて、
何箇所かこういう上への巻き道もでてきます。
梯子はありますが結構急です...
そのほかに普通に登山道のところも多々あって、
アップダウンを繰り返しながら進んでいきます。
ずーっと平らだと思ってたらそこまでラクではなかった(^^;
そして阿曽原温泉小屋直前は、ガレガレの激下りが続きます。
10km以上緊張とともに歩いてきて最後にガレガレは効きます...
さらに天気予報通りにしとしとと雨が...
ちょうど本格的にイヤになってきたころ、
木々が途切れたところで、
目指す小屋の全貌が。
自然のなかで発見する人工物。
自然の中に入りに来ているのに何故だかうれしい瞬間(^^;
やっと着いたよー。
水平歩道と下の廊下の便宜上の中間地点で
唯一の宿泊所、
阿曽原温泉小屋です。
ここは冬季は豪雪及び雪崩多発地帯なので
冬季は解体されて閉鎖され、雪解けになると
再び組み立てられるという季節限定の小屋です。
小屋泊及びテント泊が可能で、
こちらが小屋本体。
基本小屋泊は予約要でテント泊は先着順。
プレハブですが土台はしっかりしています。
テン場全景。
広くはないですが、この山奥なのに
平らなところが多く、早く着けば設置場所に困ることはありません。
地面は全部じゃないけど草地のところが多いです。
クッションになるのはよいのですが水はけは悪い。
草地だとどうしてもたまりますね。
この日の自身のテントは久々に
NORDISK。
普通なら
Khufuなのですが、
ここは事前調べでは狭くて混むという話だったので
Khufuより設置面積がせまいNORDISKにしたのでした。
絶対雨予報でもありましたしね。
いやー、最近ずっとKhufuだったのでテント久々でしたが、
シェルターと違って、中に入ればどこにでも物を置けて、
どの向きでも寝転べるというのはいいですね!
快適でしたー♪
このあたりはこれからも時と場所と天気で使い分けていきたいですねー。
続いて水道。飲めます。
特に制限なく使えるのはうれしいです。
トイレ。
この見かけですが水洗でした。
上は持参する必要ありますが
清潔でしたよ。
小屋では500mlのビールの自販機ありで700円。
350mlの缶も小屋のカウンターから買えるようでした。
ソフトドリンク系はあったかなあ...
すいません、確かめてないです。
小屋のスタッフの方はとても親切で
すごくいい印象の方たちでした。
設備は最小限ですが、
十分でしょう。これ以上この山奥で
求めたらバチがあたります。
テン場ではauの電波も弱いですが入りましたよ。
そしてその名にあるように温泉です。
ここの一番のウリですねー。
テン泊者は入る場合700円別途かかります。
受付でまとめて支払います。
この看板からほんとに5分以上下ったところにあって、
結構距離あります(^^;
ここの温泉は上記サイトにもあるように湯船がひとつに
温泉を引いているだけ。
脱衣所もなければ入り口も出口もない(^^;
雨をしのぐ屋根らしきものもなし。
男女は1時間ごとに交代制。
私も一応入浴料は払ったのですが、
この日は雨だったし、小屋で傘は貸してくれるとはいえ、
風呂から上がっても濡れ続けるってのは
ちょっとかんべん願いたかったので結局入らず。
でも大人気で夜までみなさん途切れることなく
入られてようです。
え?いや、自分が入ってないのに
さすがに写真は撮れません(^^;
この後も雨は降り続いていたので星も拝めそうにないし、
この後はずっとテント内でごろごろ。
翌日のコースを地図で確認したら19:30には
おやすみなさいでありました...
さて、この日の水平歩道ですが総括すると、
・実はずっと水平なわけではない。
・高度感は実はさほどない。
・写真で見るより実際は意外と進める。
です。
ずっと水平ではないのは前述した通り。
高度感に関しては、高さの怖さなら
甲斐駒ケ岳のナイフリッジや2000m越えてからの
片手すりの橋の方がこわかった。
コースは整備がとても行き届いているので、
これまでにいろんな山に登っている方ならば
まず大丈夫です。
ただそれでもひょんなことから
「滑落する確立」
はこれまでのどの山よりも一番高い。
普通の登山道ならアリの行為でもここではNGの行為や姿勢があるので
それをはやめに自分で見つける必要がありますね。
人が落ちて死ぬのに1000m以上もの高さはいらないはずです。
数十mでも十分条件は揃います。
ここは標高は低いですがあの崖道で少しでも傾けば...
怖っ!
そこだけ頭に常に置いとけば、
スリルとレストが交互にやってくる崖道は
今までにない経験ができると思いますよ(^^
これで前哨戦は終わり。
本来の目的は下の廊下。
ではここから先は翌日の
「~下の廊下編~」へと続きます♪
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