2010年10月17日
トレイルラン!! ハセツネ完走記2010:前編
この日のために、走ってきた。
この日のために、鍛えてきた。
走り始めてから2年弱、ひたすら目標とし、待ち焦がれたその日がついにやってきた。
第18回日本山岳耐久レース、通称ハセツネ、
2010年10月10日 13:00 スタート......

さあっ!いきますよっ!がっつり読んでねっ!

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この日のために、鍛えてきた。
走り始めてから2年弱、ひたすら目標とし、待ち焦がれたその日がついにやってきた。
第18回日本山岳耐久レース、通称ハセツネ、
2010年10月10日 13:00 スタート......

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自宅の出発は前日の夜、夜行バスでレース当日の朝に新宿着、
そこからさらに1時間ちょっとかけてJR青梅線の終点、「武蔵五日市駅」まで。
この駅に来ることすら憧れのひとつ。
もちろんこの日が初めて。ドーンとこの威厳のある看板、
まず一発目の感動。

そしてまわりにはこの横断幕。
ほんとに来たんだって実感がジワジワ湧いてくる。

到着は9:00前、まだレースまでにはかなりある。スタートまでにでも腹ごしらえが必要なので、
会場に向かいながら店を探す。
事前にもらった案内にはいくつか店が書いてあったけど、
こんなに早くから開いてるかどうか不安だったけど道沿いのお店に「営業中」看板。あった!
そこは手打ちうどん&そば屋さんの「魚鶴」さん。

ご飯が食べたかったんで定食にしようと思ったら、まだと。
仕方ないのでうどんだけ。手打ちのシコシコ麺はなかなか。
肝心のうどんを撮るのを忘れてしまったんだけど、
「朝茶は難を逃れるって言うんです」って言って入れてくれたお茶があったかくておいしかった。
なにより気持ちが嬉しかった。流れで入ったけどいいお店だった(^^
そこから歩いてくといよいよ会場の五日市中学校のグランドとスタートゲートが目の前に。
これか!これをくぐって向かうのか!ってまた感動。

まだ結構早いのに受付は結構並んでる。
あとにしてもやっかいなので着替える前に済ませてしまう。
その時にもらったのがこの参加賞の熊鈴。
デザインはとても気に入ったのだけど、
先に言ってくれれば買わなかったのに....

受付はスムーズに終わったので、所定のところで着替えを....
うわっ!多い!

すでに真ん中エリアは空いてない...
あんまり選んでるとどこも無くなりそうだったので、通路の端に陣取って準備。
しかしすごい数だ。テーピングは家で貼って来てよかった。
ここでの準備の仕方もみなさんのを見てると面白い。
まだ準備せず本を読んでる人、寝てる人、ものすごい複雑なテーピングをやってる人、
奥さんに全部やってもらってる人、食べてる人、なんか忘れ物したっぽい人.....
みんなみんなこれからの数時間〜十数時間の為に備えてる。
この時、そんな中に自分が入ってるのがとても嬉しくなった。
足指の間にワセリンも塗って、人も多くなって来たので荷物を預けて外に出る。
そしてまだキレイなシューズのひもをちゃんと締めてから、大事な計測チップを取り付ける。

こいつで各関門とゴールの計測板をしっかりと踏んで通らなければならない。
それはもう踏んで踏んで踏みしきるぐらいやってやる気マンマン(^^;
そしてここで最近紹介してもらったランニングクラブリーダーのK氏より電話が。
この日初めて会ったけど、そのお年とは全く思えないアスリートなお方。
三週前にはトライアスロン(ハーフ)の大会に出ていたそうなので驚く。
貴重なアドバイスもいただき、元気ももらう。
話している間に同じく初参加でこの前六甲も一緒に行ったtoyoさんとも合流。
とりあえずその辺をプラプラと。
で、toyoさんはニューハレブースに並ぶ(すごい列だったけど!)とのことなので
他のブロガーさんを探しがてらメーカーブースエリアをウロウロと。

こういうのも初めてで見てるだけでワクワク。どこも活気があるけど穏やかさもあって、
選手も応援の人も、各メーカーの人もみんなにこやか。大人のお祭りって感じでテンションアップ!
スタート時間もだんだん近づいて来て、一気に人が増えて来た。

おお、これこれ、この場にいたかった。この高揚感を味わいたかった。
みなさんの装備を見てるとこれまた興味深い。
シューズはSALOMON、LA SPORTIVAが結構目に付いた。ついでMontrail。
他は限りなくいろいろ。
ザックはこれまた多種多彩。グレゴリーが若干多い目かな。
みなさんいろいろ考えて最終的にそのセットを選ばれたはず。
かなり悩んだり、取り替えたり、急遽古いの引っ張り出したりしただろうか?
なんてぼーっと見てると全く飽きない。
しかし他のブロガーさんは一向に誰も見つからない。
んー、そんなに広いエリアでもないのに。
どこにいるのだ?
って過ごしてるとtoyoさんのニューハレテーピングも完了。
ちなみにニューハレブースはスタートギリギリまで長蛇の列。
アクタ氏は貼りまくりのフル回転。
さっすが。
そして時間も迫ってきたので、出発前のVESPAを一発ゴクリとやって、スタート位置へ移動。
しかしすごい人。これ。こんなに一気に山に入って走れるのか?
(答え:走れませんでした...)

あと以外だったのが年齢層の高さ。大体ランニングの大会って10代~20代で溢れかえってる
わけじゃないけど。それにしても30代~50代が多い。女性がもっと多いかと思ってたけど
それよりおっちゃんチームが目立った(^^;
トレイルランニングをずっとというよりは、その名称が出てくる前から「山」へ入っていた。
そんな感じの屈強な方々もたくさん。
いろんな年代、いろんなバックグランド、いろんな嗜好、男性、女性、
全て入り交じっての約2500人。
みんなの目標はただひとつ、ゴールすること。
これだけの人数が一斉に同じ目的に向かって走りだす。
その中に自分がいることができる。
こんな幸せそうはない。
目いっぱい楽しもう!そして「笑顔でゴール」しよう!
いままでの成果を全部出そう!
体の奥から沸いてくる熱いチカラが頭の先、指先、つま先まで瞬時に駆け巡る。
準備はできた。
ほどなくして目標時間別に並んでいた列がぐぐっと寄りだした。
カウントダウンが始まった。
5.....4......3.......
ずっと待ってたこの瞬間。でも不思議な感じ。焦りはないし、興奮もしていない。
自分でも驚く程冷静。
これなら周りにつられることもない、自分のレースがきっと楽しめる。
スタート。
12時間組の列の後半に並んでいたけど、ゲートをくぐるまでは数分?そんなにかからなかった。
よし、24時間以内に無事もう一度ここへ帰ってくる!

さて、最初に目指す第一関門までのスペックを確認。
▼第一関門クリアまでの条件
1)移動距離:22.66km
2)制限時間:9時間
3)最大標高:990.3m
4)主なピーク:入山峠600m、 醍醐丸867m、浅間峠860m

五日市中学校のグラウンドを出てすぐは地元の街のロードセクション。
両端には選手の応援に混じって地元の方々もたくさん。
たくさんの応援はほんと心強い。そして暖かい。
序盤は押さえる
今回唯一の作戦。関門ごとはクリアできればいいし、完走が目標。
とにかく序盤で足が終らないようにだけ気をつける。
ロードセクションはほどなく終わり、待望のトレイルへ。
試走はしてないから、路面の状態、道幅、傾斜の具合、何もかも全く初めてのトレイル。
果たして歓迎してくれるのか、それとも手荒く突き飛ばされる....
選手の列はすでに完全に団子状態。なんとか進む。

だんだんスピードが落ちて来た。ジョグから歩きへ、そしてたまに止まってしまう。

序盤の名物の渋滞。これがそうか。
それでもゆっくり登って見晴らせるところへ出たかと思うと...
これ。

これはちょっと、いくらなんでも長過ぎないかこれは。
走れたらすごく気持ち良さそうなところなのに。
少しして完全に止まってしまう。
まだ休憩が必要なほど息も上がってないけど、ここは仕方ない。
前後の方と軽く会話を動き出すまで待つ事にする。
「これはひどいですねー」
「んー、全くです」
高速の渋滞と同じで先頭でいったい何があるのかと思ってしまう。トンネルがあるわけでもないのに。
これも同じく大して理由はなかったなんてないことを願いたい。
お願いだから走ろうよと自分にしか聞こえない程度の声でつぶやく。
時間がたって次第に動き始めて来た。それでもジョグまでもいかないペース。
コースはシングルトラック。個人的には大好きなパターンだ。

この先から少しだけバラけはじめてきて、ようやく走れる。
変電所の横を通過。え?まだここも過ぎてなかったの?
手元のマップをみて唖然。
全然進んでないや。
ま、いいか。走れるところは走ろう。
もちろん押さえ気味で。
今熊神社に到着。神社の階段を駆け上がる。
ここで同じペースをここまで保っていたtoyoさんが前に。
スルスルと快調に登って行く。
おお、調子良さそう。でも自分はこのまま押さえていくことにする。
長い旅路だし、きっとまたどこかで会うだろう。
ここからは止まる事なくスピードハイクぐらいのペースで進む。
走れはしないが渋滞ストレスからはすこしだけ解消される。
そのまま進んでると係の方らしき声が聞こえてくる。
この後ゴールするまで何よりも力づけてくれる「声」だ。
最初の予備関門、入山峠に到着。制限よりも2時間早い。予想外に順調だ。
でもここも急に道が細くなるので渋滞。
予習してたけどほんとにそのままだ。
ここは回避策欲しいな。

この「渋滞自然休憩」でみんな補給をしてる。ジェル、おにぎり、お菓子?様々なものをほおばってる。
ここまで7km。まあ補給出来るとこでは確実にしておかないと後々悲惨な事になるから。
ここを越えると少し走れるようになった。二つ目の予備関門、醍醐丸まではアップダウンのある
シングルトラック。木の根っこが張り出してるところも多いけどそれなり進める。
押さえ気味は忘れずに、全開してしまわないように、気持ちのいい下りは飛ばす。

そのうちだんだんと日が暮れて来た。いつものトレイルランなら終了して風呂に入ってるか
すでに乾杯している時間。でもハセツネはここからがメインの時間。
夜間走行
実はこの夜間走行はレースどころか普段の練習も含めてこのときが初めて。
夜間っていってもどれだけ暗いのか(いやそれは真っ暗、山だし)、暗いということでどれだけストレスが
かかるのか、どんな感情が起こってくるのかそしてそれを制御できるのか。
不安とワクワクでわずかに不安が勝っていた。
コースはアップダウンが続く、標高は900mあたり、六甲山山頂の手前ぐらいか。
いつもなら六甲山頂は一区切りの象徴で、ここさえ過ぎればあとは下り、って気が楽になるとこだけど、
今回はまだまだ低い位置。この後最高で縦にあと600mは登らなければならない。
ふうっ、まだまだ、ペースはこのまま続けていこう、前へ進もう。
このあたり渋滞こそしていないけど、前後の選手とは間隔はほぼなし。
列車のごとく、道に沿ってつながった列が右に左に上に下にくねくねと曲がりつつ進む。
ピッタリ張り付き張り付かれて進む。果たして自分のペースなのか他人のペースなのか。
コースアウトの心配はないけどちょっと息がつまる。
唯一利点はあった、まだ完全に日が落ちる前なら自らライトを装着しなくても
周りの方のライトでなんとか見える。ライトの装着には立ち止まってザックを降ろしてという
段階が必要で、数珠つなぎ状態とはいえ、調子良く進んでいるペースを止めたくなかったので、
前後の選手のライトにお世話になる。
なんとか第一関門までライトなしで着いて、そこで装着しよう。
急造の小さな目標を立て、また前を向く。
このあたりから暗くて写真が全く撮れなくなってしまった。
フラッシュをバシャバシャやるのも気が引けるし、以降はしばらく文字のみで語っていく。
日が落ちかけてから一時間程、「他人の明かりお世話になりまくり走法」を続けていたけど
そろそろ限界がきた。さすがに完全に日が落ちると自分のがないと無理だ。
第一関門にはまだ遠いけど仕方がない、そろそろ自分のを出す......
ポツ、ポツ、ポツ、.....
やばい、雨だ!
スタート時点で晴れていたのでこの後も降る事はないと思っていたのに!
これは耐えてはいけない。山の雨は怖い。
激しく降るのか、すぐに止むのかわからないけど、なんにせよ対策が急務だ。
雨で体が冷えて、最悪低体温症になってリタイヤなんて悲しすぎる。
幸い「目一杯もっていく冒険」をしている今回の荷物にはレインウエアもある。
すぐにトレイルの端にスペースを見つけて急停止。
レインウエアはすぐに取り出せるようザックの外に付けたのは大正解。
まずはレインウエアを着用して、雨よけはOK。
続いてザックの一番上に入れていたヘッドライト、ハンドライトを取り出し
それぞれ装着。
忘れ物のないよう確認してザックをかつぎ、ライトを点灯。再びトレイルに戻る。
今回使用したのはSHMW北野氏におすすめいただいた、OUTDOOR RESEARCHのHelium Jacket。
本格的な山用レインウエアではなく、ライトなタイプ。トレランにはうってつけのものだ。
レース直前の天気予報でどうも雨が避けられないようなので急遽揃えることに。
幸いセール中でお得なお値段で手に入れる事ができたのでとてもラッキーだった。
今回このレインウエアにめちゃくちゃ助けられたので、
こちらのアイテムレポはまた別の機会に.....
雨脚はだんだんと強くなってきた。撥水性インサレーションウエアではまかなえくらいの強さ。
レインウエアは持って来てよかった。
雨による冷えがないのでそれだけでも気持ちが落ち着く。
雨に打たれながらも安心して進む事ができる。
この時アウトドアをいかに快適に過ごすかというのは、状況に応じたギアをいかに使用するかに
かかっているということを再認識。なんでもかんでもワイルドライフをってのも楽しいが、
今はハセツネ。頼れるギアがあるならば遠慮なく体を預ける事にする。
雨とともに時間は経過していく、進んでいくので標高が上がってくる。
雨に加えて霧がかかってくるようになった。
ハロゲンの白い光は反射して見づらい。
雨によるウエアのストレス、霧による視界のストレス、
真っ暗な中、状況は徐々により厳しい状況になりつつあったが、
真のストレスが実は足元で知らぬ間に確実に進行していた。
それは、「路面コンディションのストレス」。
今回はこのせいでリタイヤした選手も多かったと聞く。
奥多摩の土は粘土質で、雨が降ると水たまりにならず、路面がねっちょねちょの粘土のようになる。
スタート前にK氏にアドバイスとして受けていたので、多少の心の準備はしていたが、
実際は粘土加減がハンパない。ここまでの想定はしていない。
つきたてのお餅を敷き詰めたところを進んでいるようなもので、ソールのグリップがまったく効かない。
一歩踏み出し、数cm下がり、ようやくもう片方の足も踏み出すが、また数cm下がってから進む、
の繰り返しで、いつもよりパワーが必要なわりには進まない。
さらにやっかいだったのは下り。上り以上に全くグリップせず、
太ももよりも足指による踏ん張りがないと、あっと言う間にすべりコケる。
そこへ木の根っこがほどよくブレンドされようものなら危険度はさらに増し、
駆け下りるというよりは、スノボかスキーなみの滑走が必要になるくらい。
ヘッドライト+ハンドライトは必須の状況。
そうなるとまた急な下りの前には長い渋滞が発生。
雨の夜の山の中のトレイルで渋滞。これはキツい。自然休憩にはなるけども、
この状況なら多少体に付加がかかっても早くやり過ごしたいところ。
渋滞箇所の急な下りで自分の番がきたら、できるだけスムーズなルート選択で
こけながらもスピーディーにやりすごし、ひたすら進む。
泥で少なくとも1.2倍の重さにはなっているであろうシューズを引きずっていると、
前方に大きな明かりが。
やった、第一関門だ。
時計を確認。うん、クリアには余裕だ。
ここまで約23km、なんとかやってきた。
第一関門クリア:6時間9分54秒(制限時間9時間)
計測の音を確認して、とにかく一旦腰を下ろす!
気合いをいれてそう思うが、狭い峠の中は人でいっぱい。普通に座れるところはない。
なんとか奥に入って場所を見つけ腰を下ろす。
ライトもすべて消して一旦落ち着かせる。
ふうっ、よかったクリアできて。着実に進んできてるな。
心肺関連が落ち着いたところで周りを見渡す。
スタッフの方達や、選手の会話を拾うと、やはり雨と粘土トレイルでみな相当に疲れている様子。
おそらく今いる選手の方達って、同じレベルだからよくわかる。
ま、しんどいよね、と誰ともなしに心の中で声をかけて、
再び出発の準備をする。あまり長居すると体が固まってしまう。
みなポールの準備をしている。
自分もそのつもりだった。第一関門以降は使用OKなので、ほぼ全面使ってやろうと。
しかし、路面コンディションが想定外な事になっている。
特に下りはハンドライトなしでは怖くて下れない。
ポールを持つとハンドライトが使えなくなってしまう。
さらに前後のつまり具合も全然はけてはいない。
ポールをぶんぶん振り回すわけにもいかない。
この状態でポールの使用は適切なのか?
悩んだ結果、もうしばらくポール使わないことにして、第二関門を目指し出発した。
元々そうなるとは思っていたけど、
やはりこの第二関門までの道のりが全コース中、最も険しく、厳しく、長く感じて、
少しでも心のスキをみせれば、今までの努力なんてなにもなかったかのように
いとも簡単にポッキリとこころを折りにくる。
そんなところだった......
続く......

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この駅に来ることすら憧れのひとつ。
もちろんこの日が初めて。ドーンとこの威厳のある看板、
まず一発目の感動。

そしてまわりにはこの横断幕。
ほんとに来たんだって実感がジワジワ湧いてくる。

到着は9:00前、まだレースまでにはかなりある。スタートまでにでも腹ごしらえが必要なので、
会場に向かいながら店を探す。
事前にもらった案内にはいくつか店が書いてあったけど、
こんなに早くから開いてるかどうか不安だったけど道沿いのお店に「営業中」看板。あった!
そこは手打ちうどん&そば屋さんの「魚鶴」さん。

ご飯が食べたかったんで定食にしようと思ったら、まだと。
仕方ないのでうどんだけ。手打ちのシコシコ麺はなかなか。
肝心のうどんを撮るのを忘れてしまったんだけど、
「朝茶は難を逃れるって言うんです」って言って入れてくれたお茶があったかくておいしかった。
なにより気持ちが嬉しかった。流れで入ったけどいいお店だった(^^
そこから歩いてくといよいよ会場の五日市中学校のグランドとスタートゲートが目の前に。
これか!これをくぐって向かうのか!ってまた感動。

まだ結構早いのに受付は結構並んでる。
あとにしてもやっかいなので着替える前に済ませてしまう。
その時にもらったのがこの参加賞の熊鈴。
デザインはとても気に入ったのだけど、
先に言ってくれれば買わなかったのに....

受付はスムーズに終わったので、所定のところで着替えを....
うわっ!多い!

すでに真ん中エリアは空いてない...
あんまり選んでるとどこも無くなりそうだったので、通路の端に陣取って準備。
しかしすごい数だ。テーピングは家で貼って来てよかった。
ここでの準備の仕方もみなさんのを見てると面白い。
まだ準備せず本を読んでる人、寝てる人、ものすごい複雑なテーピングをやってる人、
奥さんに全部やってもらってる人、食べてる人、なんか忘れ物したっぽい人.....
みんなみんなこれからの数時間〜十数時間の為に備えてる。
この時、そんな中に自分が入ってるのがとても嬉しくなった。
足指の間にワセリンも塗って、人も多くなって来たので荷物を預けて外に出る。
そしてまだキレイなシューズのひもをちゃんと締めてから、大事な計測チップを取り付ける。

こいつで各関門とゴールの計測板をしっかりと踏んで通らなければならない。
それはもう踏んで踏んで踏みしきるぐらいやってやる気マンマン(^^;
そしてここで最近紹介してもらったランニングクラブリーダーのK氏より電話が。
この日初めて会ったけど、そのお年とは全く思えないアスリートなお方。
三週前にはトライアスロン(ハーフ)の大会に出ていたそうなので驚く。
貴重なアドバイスもいただき、元気ももらう。
話している間に同じく初参加でこの前六甲も一緒に行ったtoyoさんとも合流。
とりあえずその辺をプラプラと。
で、toyoさんはニューハレブースに並ぶ(すごい列だったけど!)とのことなので
他のブロガーさんを探しがてらメーカーブースエリアをウロウロと。

こういうのも初めてで見てるだけでワクワク。どこも活気があるけど穏やかさもあって、
選手も応援の人も、各メーカーの人もみんなにこやか。大人のお祭りって感じでテンションアップ!
スタート時間もだんだん近づいて来て、一気に人が増えて来た。

おお、これこれ、この場にいたかった。この高揚感を味わいたかった。
みなさんの装備を見てるとこれまた興味深い。
シューズはSALOMON、LA SPORTIVAが結構目に付いた。ついでMontrail。
他は限りなくいろいろ。
ザックはこれまた多種多彩。グレゴリーが若干多い目かな。
みなさんいろいろ考えて最終的にそのセットを選ばれたはず。
かなり悩んだり、取り替えたり、急遽古いの引っ張り出したりしただろうか?
なんてぼーっと見てると全く飽きない。
しかし他のブロガーさんは一向に誰も見つからない。
んー、そんなに広いエリアでもないのに。
どこにいるのだ?
って過ごしてるとtoyoさんのニューハレテーピングも完了。
ちなみにニューハレブースはスタートギリギリまで長蛇の列。
アクタ氏は貼りまくりのフル回転。
さっすが。
そして時間も迫ってきたので、出発前のVESPAを一発ゴクリとやって、スタート位置へ移動。
しかしすごい人。これ。こんなに一気に山に入って走れるのか?
(答え:走れませんでした...)

あと以外だったのが年齢層の高さ。大体ランニングの大会って10代~20代で溢れかえってる
わけじゃないけど。それにしても30代~50代が多い。女性がもっと多いかと思ってたけど
それよりおっちゃんチームが目立った(^^;
トレイルランニングをずっとというよりは、その名称が出てくる前から「山」へ入っていた。
そんな感じの屈強な方々もたくさん。
いろんな年代、いろんなバックグランド、いろんな嗜好、男性、女性、
全て入り交じっての約2500人。
みんなの目標はただひとつ、ゴールすること。
これだけの人数が一斉に同じ目的に向かって走りだす。
その中に自分がいることができる。
こんな幸せそうはない。
目いっぱい楽しもう!そして「笑顔でゴール」しよう!
いままでの成果を全部出そう!
体の奥から沸いてくる熱いチカラが頭の先、指先、つま先まで瞬時に駆け巡る。
準備はできた。
ほどなくして目標時間別に並んでいた列がぐぐっと寄りだした。
カウントダウンが始まった。
5.....4......3.......
ずっと待ってたこの瞬間。でも不思議な感じ。焦りはないし、興奮もしていない。
自分でも驚く程冷静。
これなら周りにつられることもない、自分のレースがきっと楽しめる。
スタート。
12時間組の列の後半に並んでいたけど、ゲートをくぐるまでは数分?そんなにかからなかった。
よし、24時間以内に無事もう一度ここへ帰ってくる!

さて、最初に目指す第一関門までのスペックを確認。
▼第一関門クリアまでの条件
1)移動距離:22.66km
2)制限時間:9時間
3)最大標高:990.3m
4)主なピーク:入山峠600m、 醍醐丸867m、浅間峠860m

五日市中学校のグラウンドを出てすぐは地元の街のロードセクション。
両端には選手の応援に混じって地元の方々もたくさん。
たくさんの応援はほんと心強い。そして暖かい。
序盤は押さえる
今回唯一の作戦。関門ごとはクリアできればいいし、完走が目標。
とにかく序盤で足が終らないようにだけ気をつける。
ロードセクションはほどなく終わり、待望のトレイルへ。
試走はしてないから、路面の状態、道幅、傾斜の具合、何もかも全く初めてのトレイル。
果たして歓迎してくれるのか、それとも手荒く突き飛ばされる....
選手の列はすでに完全に団子状態。なんとか進む。

だんだんスピードが落ちて来た。ジョグから歩きへ、そしてたまに止まってしまう。

序盤の名物の渋滞。これがそうか。
それでもゆっくり登って見晴らせるところへ出たかと思うと...
これ。

これはちょっと、いくらなんでも長過ぎないかこれは。
走れたらすごく気持ち良さそうなところなのに。
少しして完全に止まってしまう。
まだ休憩が必要なほど息も上がってないけど、ここは仕方ない。
前後の方と軽く会話を動き出すまで待つ事にする。
「これはひどいですねー」
「んー、全くです」
高速の渋滞と同じで先頭でいったい何があるのかと思ってしまう。トンネルがあるわけでもないのに。
これも同じく大して理由はなかったなんてないことを願いたい。
お願いだから走ろうよと自分にしか聞こえない程度の声でつぶやく。
時間がたって次第に動き始めて来た。それでもジョグまでもいかないペース。
コースはシングルトラック。個人的には大好きなパターンだ。

この先から少しだけバラけはじめてきて、ようやく走れる。
変電所の横を通過。え?まだここも過ぎてなかったの?
手元のマップをみて唖然。
全然進んでないや。
ま、いいか。走れるところは走ろう。
もちろん押さえ気味で。
今熊神社に到着。神社の階段を駆け上がる。
ここで同じペースをここまで保っていたtoyoさんが前に。
スルスルと快調に登って行く。
おお、調子良さそう。でも自分はこのまま押さえていくことにする。
長い旅路だし、きっとまたどこかで会うだろう。
ここからは止まる事なくスピードハイクぐらいのペースで進む。
走れはしないが渋滞ストレスからはすこしだけ解消される。
そのまま進んでると係の方らしき声が聞こえてくる。
この後ゴールするまで何よりも力づけてくれる「声」だ。
最初の予備関門、入山峠に到着。制限よりも2時間早い。予想外に順調だ。
でもここも急に道が細くなるので渋滞。
予習してたけどほんとにそのままだ。
ここは回避策欲しいな。

この「渋滞自然休憩」でみんな補給をしてる。ジェル、おにぎり、お菓子?様々なものをほおばってる。
ここまで7km。まあ補給出来るとこでは確実にしておかないと後々悲惨な事になるから。
ここを越えると少し走れるようになった。二つ目の予備関門、醍醐丸まではアップダウンのある
シングルトラック。木の根っこが張り出してるところも多いけどそれなり進める。
押さえ気味は忘れずに、全開してしまわないように、気持ちのいい下りは飛ばす。

そのうちだんだんと日が暮れて来た。いつものトレイルランなら終了して風呂に入ってるか
すでに乾杯している時間。でもハセツネはここからがメインの時間。
夜間走行
実はこの夜間走行はレースどころか普段の練習も含めてこのときが初めて。
夜間っていってもどれだけ暗いのか(いやそれは真っ暗、山だし)、暗いということでどれだけストレスが
かかるのか、どんな感情が起こってくるのかそしてそれを制御できるのか。
不安とワクワクでわずかに不安が勝っていた。
コースはアップダウンが続く、標高は900mあたり、六甲山山頂の手前ぐらいか。
いつもなら六甲山頂は一区切りの象徴で、ここさえ過ぎればあとは下り、って気が楽になるとこだけど、
今回はまだまだ低い位置。この後最高で縦にあと600mは登らなければならない。
ふうっ、まだまだ、ペースはこのまま続けていこう、前へ進もう。
このあたり渋滞こそしていないけど、前後の選手とは間隔はほぼなし。
列車のごとく、道に沿ってつながった列が右に左に上に下にくねくねと曲がりつつ進む。
ピッタリ張り付き張り付かれて進む。果たして自分のペースなのか他人のペースなのか。
コースアウトの心配はないけどちょっと息がつまる。
唯一利点はあった、まだ完全に日が落ちる前なら自らライトを装着しなくても
周りの方のライトでなんとか見える。ライトの装着には立ち止まってザックを降ろしてという
段階が必要で、数珠つなぎ状態とはいえ、調子良く進んでいるペースを止めたくなかったので、
前後の選手のライトにお世話になる。
なんとか第一関門までライトなしで着いて、そこで装着しよう。
急造の小さな目標を立て、また前を向く。
このあたりから暗くて写真が全く撮れなくなってしまった。
フラッシュをバシャバシャやるのも気が引けるし、以降はしばらく文字のみで語っていく。
日が落ちかけてから一時間程、「他人の明かりお世話になりまくり走法」を続けていたけど
そろそろ限界がきた。さすがに完全に日が落ちると自分のがないと無理だ。
第一関門にはまだ遠いけど仕方がない、そろそろ自分のを出す......
ポツ、ポツ、ポツ、.....
やばい、雨だ!
スタート時点で晴れていたのでこの後も降る事はないと思っていたのに!
これは耐えてはいけない。山の雨は怖い。
激しく降るのか、すぐに止むのかわからないけど、なんにせよ対策が急務だ。
雨で体が冷えて、最悪低体温症になってリタイヤなんて悲しすぎる。
幸い「目一杯もっていく冒険」をしている今回の荷物にはレインウエアもある。
すぐにトレイルの端にスペースを見つけて急停止。
レインウエアはすぐに取り出せるようザックの外に付けたのは大正解。
まずはレインウエアを着用して、雨よけはOK。
続いてザックの一番上に入れていたヘッドライト、ハンドライトを取り出し
それぞれ装着。
忘れ物のないよう確認してザックをかつぎ、ライトを点灯。再びトレイルに戻る。
今回使用したのはSHMW北野氏におすすめいただいた、OUTDOOR RESEARCHのHelium Jacket。
本格的な山用レインウエアではなく、ライトなタイプ。トレランにはうってつけのものだ。
レース直前の天気予報でどうも雨が避けられないようなので急遽揃えることに。
幸いセール中でお得なお値段で手に入れる事ができたのでとてもラッキーだった。
今回このレインウエアにめちゃくちゃ助けられたので、
こちらのアイテムレポはまた別の機会に.....
雨脚はだんだんと強くなってきた。撥水性インサレーションウエアではまかなえくらいの強さ。
レインウエアは持って来てよかった。
雨による冷えがないのでそれだけでも気持ちが落ち着く。
雨に打たれながらも安心して進む事ができる。
この時アウトドアをいかに快適に過ごすかというのは、状況に応じたギアをいかに使用するかに
かかっているということを再認識。なんでもかんでもワイルドライフをってのも楽しいが、
今はハセツネ。頼れるギアがあるならば遠慮なく体を預ける事にする。
雨とともに時間は経過していく、進んでいくので標高が上がってくる。
雨に加えて霧がかかってくるようになった。
ハロゲンの白い光は反射して見づらい。
雨によるウエアのストレス、霧による視界のストレス、
真っ暗な中、状況は徐々により厳しい状況になりつつあったが、
真のストレスが実は足元で知らぬ間に確実に進行していた。
それは、「路面コンディションのストレス」。
今回はこのせいでリタイヤした選手も多かったと聞く。
奥多摩の土は粘土質で、雨が降ると水たまりにならず、路面がねっちょねちょの粘土のようになる。
スタート前にK氏にアドバイスとして受けていたので、多少の心の準備はしていたが、
実際は粘土加減がハンパない。ここまでの想定はしていない。
つきたてのお餅を敷き詰めたところを進んでいるようなもので、ソールのグリップがまったく効かない。
一歩踏み出し、数cm下がり、ようやくもう片方の足も踏み出すが、また数cm下がってから進む、
の繰り返しで、いつもよりパワーが必要なわりには進まない。
さらにやっかいだったのは下り。上り以上に全くグリップせず、
太ももよりも足指による踏ん張りがないと、あっと言う間にすべりコケる。
そこへ木の根っこがほどよくブレンドされようものなら危険度はさらに増し、
駆け下りるというよりは、スノボかスキーなみの滑走が必要になるくらい。
ヘッドライト+ハンドライトは必須の状況。
そうなるとまた急な下りの前には長い渋滞が発生。
雨の夜の山の中のトレイルで渋滞。これはキツい。自然休憩にはなるけども、
この状況なら多少体に付加がかかっても早くやり過ごしたいところ。
渋滞箇所の急な下りで自分の番がきたら、できるだけスムーズなルート選択で
こけながらもスピーディーにやりすごし、ひたすら進む。
泥で少なくとも1.2倍の重さにはなっているであろうシューズを引きずっていると、
前方に大きな明かりが。
やった、第一関門だ。
時計を確認。うん、クリアには余裕だ。
ここまで約23km、なんとかやってきた。
第一関門クリア:6時間9分54秒(制限時間9時間)
計測の音を確認して、とにかく一旦腰を下ろす!
気合いをいれてそう思うが、狭い峠の中は人でいっぱい。普通に座れるところはない。
なんとか奥に入って場所を見つけ腰を下ろす。
ライトもすべて消して一旦落ち着かせる。
ふうっ、よかったクリアできて。着実に進んできてるな。
心肺関連が落ち着いたところで周りを見渡す。
スタッフの方達や、選手の会話を拾うと、やはり雨と粘土トレイルでみな相当に疲れている様子。
おそらく今いる選手の方達って、同じレベルだからよくわかる。
ま、しんどいよね、と誰ともなしに心の中で声をかけて、
再び出発の準備をする。あまり長居すると体が固まってしまう。
みなポールの準備をしている。
自分もそのつもりだった。第一関門以降は使用OKなので、ほぼ全面使ってやろうと。
しかし、路面コンディションが想定外な事になっている。
特に下りはハンドライトなしでは怖くて下れない。
ポールを持つとハンドライトが使えなくなってしまう。
さらに前後のつまり具合も全然はけてはいない。
ポールをぶんぶん振り回すわけにもいかない。
この状態でポールの使用は適切なのか?
悩んだ結果、もうしばらくポール使わないことにして、第二関門を目指し出発した。
元々そうなるとは思っていたけど、
やはりこの第二関門までの道のりが全コース中、最も険しく、厳しく、長く感じて、
少しでも心のスキをみせれば、今までの努力なんてなにもなかったかのように
いとも簡単にポッキリとこころを折りにくる。
そんなところだった......
続く......

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Posted by まっつんパパ at 00:14│Comments(4)
│ハセツネ
この記事へのコメント
読むだけでワクワクドキドキしますね~
緊張感が伝わってきます
まるで走ってるかのような感覚にもなりますね~
今回れーすはみなさん苦しいレースだったようで
それを初挑戦で完走したとは・・・やりますね
第二関門にはなにが!?待ってたんでしょうか?
緊張感が伝わってきます
まるで走ってるかのような感覚にもなりますね~
今回れーすはみなさん苦しいレースだったようで
それを初挑戦で完走したとは・・・やりますね
第二関門にはなにが!?待ってたんでしょうか?
Posted by はっぴーきゃんぱー at 2010年10月19日 00:54
山耐レース状況が蘇りますね~
厳しかったレースが・・・
今となると凄い達成感がありますよね。
続きがきになる(笑)
厳しかったレースが・・・
今となると凄い達成感がありますよね。
続きがきになる(笑)
Posted by toyo at 2010年10月19日 22:33
>はっぴーきゃんぱーさん
ありがとー!そう感じてもらえるとてもうれしいです。
今回は「雨による悪路」が全てでした。
良くも悪くもそれに支配されてました。
雨なんて考えてもなかったので(^^;
第二関門ではなにが?
これがまたなかなか進まない....
ありがとー!そう感じてもらえるとてもうれしいです。
今回は「雨による悪路」が全てでした。
良くも悪くもそれに支配されてました。
雨なんて考えてもなかったので(^^;
第二関門ではなにが?
これがまたなかなか進まない....
Posted by まっつんパパ at 2010年10月20日 13:33
>toyoさん
ありがとー!
そうなんですよー、終わったあとは放心状態でしたが、
時間が経った今、確かに楽しかったと言えますねー。
今度はにちょにちょじゃない時がいいです(^^;
続き、それが実は前後編で終わるつもりが前中後編になりそうです(汗
お、終わんない....
ありがとー!
そうなんですよー、終わったあとは放心状態でしたが、
時間が経った今、確かに楽しかったと言えますねー。
今度はにちょにちょじゃない時がいいです(^^;
続き、それが実は前後編で終わるつもりが前中後編になりそうです(汗
お、終わんない....
Posted by まっつんパパ at 2010年10月20日 13:36