2010年10月22日
トレイルラン!! ハセツネ完走記2010:中編
まるで終わりがないかのように永遠に続く上り。
深くて暗い山の夜。
初挑戦はハセツネだけじゃなくて、夜間走行と雨天走行も初の体験。
第一関門以降も続く苦難を「ゴールしたい」という意識のみでひたすらつないだ中盤戦。

前後編で終えるつもりが小ネタ書いてると終わらなくなってしまった...
前中後編になります。もうしばらくお付き合いくださいませな。
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深くて暗い山の夜。
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結構激しく降った雨はあがったので、
レインウエアを脱ぎ、インサレーションに変更して再び動き出す。
次の目標、第二関門クリアまでのスペックは以下の通り。
▼第二関門クリアまでの条件
1)移動距離:19.43km
2)制限時間:6時間(スタートから15時間)
3)最大標高:1527m
4)主なピーク:笛吹峠1000m、槇寄山1182m、三頭山1527m

第二関門まではなんといってもコース最高峰1527mであり、中間地点でもある三頭山が控えている。
今まで自分の足で登った最高地点は六甲山頂しかない。1000m以下だ。
1500m以上ともなるともちろん初めて。なので全く想像がつかない。
この時点の頭の中ではまあツラいだろうなという程度なんで、考えないことにした。
目の前の道を進んで行こう。
しかしこの目の前の道が、前日までの雨+当日夕方の雨で第一関門までよりもさらにエラいことになっている。
”にちょにちょ”から”にーちょにちょ”へパワーアップ。
この数時間で粘土質度5割増へと進化していた。
ようやく使えるとばかりにポール準備した方も、見てる限りでは使っている方が大変そう。
そういう自分も先ほどまでと同じグリップしない路面に滑らせれ、こかされて
気合いと労力の割には少ししか進まない。
それでも上りは続く。
第一関門以降は少しはバラけるのかと思っていたが、
そうではなく、前後数珠つなぎの列車状態は相変わらず。
ひたすら足元と少し先を交互に確認してグリップしない足を進めて行く。
前も後ろもピッタリで、道幅はシングルトラック。
休もうにも休むタイミングが難しく、列からなかなか抜け出せない。
ツラい。完全に「修験者」状態....
どこまで続くのかと思った矢先、声が聞こえて来た。
ボランティアの方なのか、山岳連盟の方なのかわからないけど、
「まもなく山頂でーす!がんばってくださーい!」
これは効く、場合によってはジェルより効く。
応援してもらうってほんと心強い。
応援してもらいながら、笛吹峠を越える。まだ上り。
槇寄山もなんとか越えた。
さあ、いよいよ三頭山。コース最高峰。
どうせすぐに頂上には着けない。
ここはひたすら修験者モードで乗り切ると心を決めて進む。
自分の足元のみに集中して、現れる段差を最小限の足上げでいけるルートを探しながらあるく、
修験者は進むのみ。
修験者は列を乱してはいけない。
修験者は時折足元以外の前方も確認して.....
しまった、先を見てしまった...
ヘッドライトの光の帯が螺旋状に渦を巻いて、先の暗闇まで続いてる。
一人、一人と暗闇へ消えて行く。
はるか先だけど。
あそこまで行ってもまだあるのかと思うと、急激に気持ちが萎えてきた。
だから見ないようにしてたのに...
さらに30km過ぎたあたりからトレイルの両脇に寝て休む選手が目立つようになってくる。
ちゃんと体制つくって寝てる人、倒れ込んだままで寝てる人。
気持ちはとてもよくわかる。
進む程に両脇で休んでる選手の数は増え、しまいにはテントまで出て来た!
トレイルの左右から、
休んだら?まあゆっくりしてこや。
という天国からのお誘いキャプチャービームを容赦なく浴びる。
ついふらふらとキャプチャされそうになるけど、
上りの途中で長く休んでもまた上りから始まるし、
休んでいる間も上りを見ながら休むことになり、
メンタル的な回復があまり望めないのでここは膝押しで進む。
ドン!と休むなら頂上かフラットなところかのどっちかだ!
気持ちを奮い立たせ、
そこからさらにショート休憩を繰り返しながら登り続けると、頂上コールが!
ようやくだ。
自分の足で1500m以上ってこれは記録だ。
頂上に着くと同時に寝転ぶというか倒れ込む。ザックは背負ったまま。下ろす気力もない。
三頭山の頂上っていういものすごく区切りっぽいのところなのに、ここは第二関門ではない。
第二関門まではまだあと5kmほどある。
ここも関門にして合計四つにすればいいのにと、そばのスタッフに詰め寄りたくなった。
仰向けになって星に気付いた。すごくきれい。そしてすごく近い。
木々の間から手を延ばせば二つぐらいなら触れそう。
まあ手を伸ばす元気もないのだけれど。
でもこの様子だときっと明日は晴れだ。
と、いうことは明るい日差しの指すゴールが待ってる。
と、いういことは....進むべしか!
体を無理やり再起動。ストレッチして立つ。気を抜いたらまた座ってしまう。
係の人にお礼を言って、下りへ向かう。
もうこれぐらいからはキツキツではないだろう、と思っていたが、
なんのなんの、前後びっしり....
やっぱりポールは使えない。後ろの選手にあたりそうだもの。
前の選手のポール具合を見てみても、ほとんど地についていない。
さらに片方は曲がってしまっている...
ここからはひたすらガマンのハイキング。とにかく進む。進むまなきゃ。
ハイドレーションの水も残り少ない。
闇のトレイルをひた進む。
第二関門まではあと数キロ。お、ちょっと調子でてきたか。
たまにジョグも入れて進め、進め。
夜といっても動いていれば喉が乾く。
ハイドレの水はあと残りは少ないのがわかっていたので、一口ずつ飲む、
あれ?いや一口ずつ.....
水切れだ.....
唯一のエイド、第二関門まではまだある。
まさかほんとに無くなるとは....
ここでようやくハセツネでの水の装備の仕方を理解した。
今回2.0Lのハイドレーションを選んだが、それは別に計算したわけではなく、
手持ちで一番大きなのがそれだったからそうしただけ。
それではダメなんだ。
エイドでの補給は一カ所のみ。それも42km過ぎの第二関門までない。
だから正しくは、
最初の量で42kmまでもたせる。
または、
最初から42km移動するのに必要な量を持つ。
のどちらかが必要なのだ。
全くそんな考えはなかったな....
深いなー、ハセツネ。
体感的には天候にもよるが気温が上がれば最初から少なくとも2.5Lは必要。
3.0Lあってもいいぐらい。
もっとタイムの早い選手はいらないだろうけど、
24時間以内の完走狙いならそれぐらいはあっても全くジャマにならない。
その分重くはなるけど、他で調整しても水は多いにこしたことはない。
まあ、ジェルはあったので何も無いわけではないけど、ジェルだけではツラい。
適度に急ごう。
何人かのグループに入って進む。第二関門直前はロード区間がある。
それは知っていたが、トレイルとロードを何回も出たり入ったりするとは
思ってなかった。
まだ?あとどんだけ?
ようやく明かりが見える。着いた.....
第二関門クリア:11時間57分33秒(制限時間スタートから15時間)
着くなり水を規定分の1.5Lもらう。
こぼさないように慎重に閉めてザックに押し込んでフラフラと休憩スペースに向かった。
休憩用のビニールシートも雨でドロドロだったけど、おかまいなしに座る。
もう一気に飲み干したい気分だったけど、なんとか頭を回転させて、
この後のことも考えて後半戦のために用意していたレプレニッシュを3袋投入!
ハイドレーションごとシェイク!何回かシェイク!飲む!
濃い!!
500mlに一袋っていうから三ついれたらかなり濃い。
これでラストまでか。喉が乾くな。しかも1.5Lしかない。足りるのか。
途中の湧き水はなんとしても飲まなければ。
まあそれでも水はなんとかなったので食糧の補給。
なんか食べないととがんばってクリフバーを開けるが半分でアウト。
固形物って難しい。またなんかいいの探さないと。
ちょっと落ち着いてきたのでまわりを見渡した。
選手は結構まばらに休んでる。第一関門ほど混み合ってはいない。
ひょっとしてもうほとんどの選手は通過したのか?
ここはかなり後ろ?
まあいいか、これから後半戦、自分のレースを楽しもう!
装備をチェック、足裏もチェック。
親指のハラのあたりが痛かったがマメはできていなかった。
OK!後半戦の開始だ!
怒涛のラスト、後編はこちらから!

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レインウエアを脱ぎ、インサレーションに変更して再び動き出す。
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▼第二関門クリアまでの条件
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2)制限時間:6時間(スタートから15時間)
3)最大標高:1527m
4)主なピーク:笛吹峠1000m、槇寄山1182m、三頭山1527m

第二関門まではなんといってもコース最高峰1527mであり、中間地点でもある三頭山が控えている。
今まで自分の足で登った最高地点は六甲山頂しかない。1000m以下だ。
1500m以上ともなるともちろん初めて。なので全く想像がつかない。
この時点の頭の中ではまあツラいだろうなという程度なんで、考えないことにした。
目の前の道を進んで行こう。
しかしこの目の前の道が、前日までの雨+当日夕方の雨で第一関門までよりもさらにエラいことになっている。
”にちょにちょ”から”にーちょにちょ”へパワーアップ。
この数時間で粘土質度5割増へと進化していた。
ようやく使えるとばかりにポール準備した方も、見てる限りでは使っている方が大変そう。
そういう自分も先ほどまでと同じグリップしない路面に滑らせれ、こかされて
気合いと労力の割には少ししか進まない。
それでも上りは続く。
第一関門以降は少しはバラけるのかと思っていたが、
そうではなく、前後数珠つなぎの列車状態は相変わらず。
ひたすら足元と少し先を交互に確認してグリップしない足を進めて行く。
前も後ろもピッタリで、道幅はシングルトラック。
休もうにも休むタイミングが難しく、列からなかなか抜け出せない。
ツラい。完全に「修験者」状態....
どこまで続くのかと思った矢先、声が聞こえて来た。
ボランティアの方なのか、山岳連盟の方なのかわからないけど、
「まもなく山頂でーす!がんばってくださーい!」
これは効く、場合によってはジェルより効く。
応援してもらうってほんと心強い。
応援してもらいながら、笛吹峠を越える。まだ上り。
槇寄山もなんとか越えた。
さあ、いよいよ三頭山。コース最高峰。
どうせすぐに頂上には着けない。
ここはひたすら修験者モードで乗り切ると心を決めて進む。
自分の足元のみに集中して、現れる段差を最小限の足上げでいけるルートを探しながらあるく、
修験者は進むのみ。
修験者は列を乱してはいけない。
修験者は時折足元以外の前方も確認して.....
しまった、先を見てしまった...
ヘッドライトの光の帯が螺旋状に渦を巻いて、先の暗闇まで続いてる。
一人、一人と暗闇へ消えて行く。
はるか先だけど。
あそこまで行ってもまだあるのかと思うと、急激に気持ちが萎えてきた。
だから見ないようにしてたのに...
さらに30km過ぎたあたりからトレイルの両脇に寝て休む選手が目立つようになってくる。
ちゃんと体制つくって寝てる人、倒れ込んだままで寝てる人。
気持ちはとてもよくわかる。
進む程に両脇で休んでる選手の数は増え、しまいにはテントまで出て来た!
トレイルの左右から、
休んだら?まあゆっくりしてこや。
という天国からのお誘いキャプチャービームを容赦なく浴びる。
ついふらふらとキャプチャされそうになるけど、
上りの途中で長く休んでもまた上りから始まるし、
休んでいる間も上りを見ながら休むことになり、
メンタル的な回復があまり望めないのでここは膝押しで進む。
ドン!と休むなら頂上かフラットなところかのどっちかだ!
気持ちを奮い立たせ、
そこからさらにショート休憩を繰り返しながら登り続けると、頂上コールが!
ようやくだ。
自分の足で1500m以上ってこれは記録だ。
頂上に着くと同時に寝転ぶというか倒れ込む。ザックは背負ったまま。下ろす気力もない。
三頭山の頂上っていういものすごく区切りっぽいのところなのに、ここは第二関門ではない。
第二関門まではまだあと5kmほどある。
ここも関門にして合計四つにすればいいのにと、そばのスタッフに詰め寄りたくなった。
仰向けになって星に気付いた。すごくきれい。そしてすごく近い。
木々の間から手を延ばせば二つぐらいなら触れそう。
まあ手を伸ばす元気もないのだけれど。
でもこの様子だときっと明日は晴れだ。
と、いうことは明るい日差しの指すゴールが待ってる。
と、いういことは....進むべしか!
体を無理やり再起動。ストレッチして立つ。気を抜いたらまた座ってしまう。
係の人にお礼を言って、下りへ向かう。
もうこれぐらいからはキツキツではないだろう、と思っていたが、
なんのなんの、前後びっしり....
やっぱりポールは使えない。後ろの選手にあたりそうだもの。
前の選手のポール具合を見てみても、ほとんど地についていない。
さらに片方は曲がってしまっている...
ここからはひたすらガマンのハイキング。とにかく進む。進むまなきゃ。
ハイドレーションの水も残り少ない。
闇のトレイルをひた進む。
第二関門まではあと数キロ。お、ちょっと調子でてきたか。
たまにジョグも入れて進め、進め。
夜といっても動いていれば喉が乾く。
ハイドレの水はあと残りは少ないのがわかっていたので、一口ずつ飲む、
あれ?いや一口ずつ.....
水切れだ.....
唯一のエイド、第二関門まではまだある。
まさかほんとに無くなるとは....
ここでようやくハセツネでの水の装備の仕方を理解した。
今回2.0Lのハイドレーションを選んだが、それは別に計算したわけではなく、
手持ちで一番大きなのがそれだったからそうしただけ。
それではダメなんだ。
エイドでの補給は一カ所のみ。それも42km過ぎの第二関門までない。
だから正しくは、
最初の量で42kmまでもたせる。
または、
最初から42km移動するのに必要な量を持つ。
のどちらかが必要なのだ。
全くそんな考えはなかったな....
深いなー、ハセツネ。
体感的には天候にもよるが気温が上がれば最初から少なくとも2.5Lは必要。
3.0Lあってもいいぐらい。
もっとタイムの早い選手はいらないだろうけど、
24時間以内の完走狙いならそれぐらいはあっても全くジャマにならない。
その分重くはなるけど、他で調整しても水は多いにこしたことはない。
まあ、ジェルはあったので何も無いわけではないけど、ジェルだけではツラい。
適度に急ごう。
何人かのグループに入って進む。第二関門直前はロード区間がある。
それは知っていたが、トレイルとロードを何回も出たり入ったりするとは
思ってなかった。
まだ?あとどんだけ?
ようやく明かりが見える。着いた.....
第二関門クリア:11時間57分33秒(制限時間スタートから15時間)
着くなり水を規定分の1.5Lもらう。
こぼさないように慎重に閉めてザックに押し込んでフラフラと休憩スペースに向かった。
休憩用のビニールシートも雨でドロドロだったけど、おかまいなしに座る。
もう一気に飲み干したい気分だったけど、なんとか頭を回転させて、
この後のことも考えて後半戦のために用意していたレプレニッシュを3袋投入!
ハイドレーションごとシェイク!何回かシェイク!飲む!
濃い!!
500mlに一袋っていうから三ついれたらかなり濃い。
これでラストまでか。喉が乾くな。しかも1.5Lしかない。足りるのか。
途中の湧き水はなんとしても飲まなければ。
まあそれでも水はなんとかなったので食糧の補給。
なんか食べないととがんばってクリフバーを開けるが半分でアウト。
固形物って難しい。またなんかいいの探さないと。
ちょっと落ち着いてきたのでまわりを見渡した。
選手は結構まばらに休んでる。第一関門ほど混み合ってはいない。
ひょっとしてもうほとんどの選手は通過したのか?
ここはかなり後ろ?
まあいいか、これから後半戦、自分のレースを楽しもう!
装備をチェック、足裏もチェック。
親指のハラのあたりが痛かったがマメはできていなかった。
OK!後半戦の開始だ!
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Posted by まっつんパパ at 00:04│Comments(2)
│ハセツネ
この記事へのコメント
こんばんは~。
わくわくどきどきの展開、
あきません、目頭が熱くなってきました。
わくわくどきどきの展開、
あきません、目頭が熱くなってきました。
Posted by マス太 at 2010年10月22日 01:51
>マス太さん
こんばんは!
このニッチな記事を連続で読んでいただき非常にうれしいです!
ありがとうございます!
しかも目頭熱くまでしていただけるなんて。。。。
光栄すぎますです。
もうマス太さんもはじめましょう(^^
長々と書いてまいりましたこのシリーズも先ほど後編をアップしましたので
そちらもお楽しみくださいませ〜
こんばんは!
このニッチな記事を連続で読んでいただき非常にうれしいです!
ありがとうございます!
しかも目頭熱くまでしていただけるなんて。。。。
光栄すぎますです。
もうマス太さんもはじめましょう(^^
長々と書いてまいりましたこのシリーズも先ほど後編をアップしましたので
そちらもお楽しみくださいませ〜
Posted by まっつんパパ at 2010年10月24日 01:32